兵庫県篠山市ホームページ 超お役所サイト丹波篠山へのいざない
 
  ホーム > 地域情報データベース > 篠山電脳歴史博物館 > 篠山城物語 > 城下町のにぎわい

篠山城物語篠山城

春日神社祭礼画帖
「春日神社祭礼画帖」より
宵山のにぎわいの風景

クリックすると大きな画像

城下町のにぎわい



黒岡の春日神社には、祭礼や町並みを描いた「春日神社祭礼画帖」が伝えられている。
これは嘉永3年(1850)に描かれた、『春日御社図』をもとに明治43年(1910)に書き写されたもので、19の場面から構成されており、幕末の城下町の様子を目の当たりにすることができる。
 画帖を開くと、春日神社の社頭にのどかな田園風景が広がり、牛で田を鋤いたり、田に肥やしをまく農民の姿がほのぼのと描き出されている。
 次の場面には、春日神社の社殿が描かれており、社に詣でる人々が細かい描写で表現されている。鳥居の前には、当時の二階町の様子や、町を往来する人々などが描かれている。
 宵宮は、境内の高張提灯に火が入り、沿道には行灯が灯され、提灯を片手に行き交う人々、歩きながら何やら語り合う武士、はしゃぐ子ども、若い2人の男女、一心に祈りを捧げる女性など、今の時代とそう変わらない情景が繰り広げられている。
 宵山では、だんじり(山鉾)が引き出され、その上では乗り子が祭ばやしを奏でている。往来であいさつを交わす武士、だんじりの提灯に触ろうとする子ども、座敷に腰を掛けて山鉾を見送る女性など、城下に生きる人々がリアルに描かれている。
 祭りの行列は、ヒキ山を先頭に、御幣、傘鉾、花ホロ、そして獅子舞が続く。その獅子舞にあわてて逃げたり、転んだりする子どもなど、単に祭りの様子だけではなく、祭りに興ずる人々をも活き活きと描き出している。クライマックスは、太鼓御輿の練り歩き、町役人による神鉾の行列、武家屋敷や城の隅櫓を背景とした御輿の還幸。最後に、御輿が春日神社に納まる場面をもって、この祭礼画帖は終わっている。
 どの場面をとっても、城下に生き、城下を支えてきた町衆のエネルギーが伝わってくる。