篠山の歴史を知る「篠山町75年史」ー「産業・経済(金融)」
銀行
神戸銀行
神戸市生田区浪花町に本店をもち、県下各地に多数の支店を置く神戸銀行(資本金15億円)は戦時中、大蔵省の要請による金融機関の統制で、昭和17年6月20日、64年の歴史をもつ篠山町の株式会社百三十七銀行を合併、二階町に神戸銀行篠山支店、河原町に同河原町支店を設けて新たに営業を開始した。
株式会社百三十七銀行
明治12年6月15日、資本金5万円をもって篠山町二階町七捨番屋敷に国立銀行条例により第百三十七国立銀行として創立(初代頭取園田多祐)
明治27年1月6日、柏原支店を設置、同年7月資本金を7万5千円に増資。
明治30年7月、資本金を12万5千円に増資して、株式会社第百三十七銀行と改称。
明治33年9月、共同貯蓄銀行(資本金7万5千円)を合併し、資本金20万円となる。名称を株式会社百三十七銀行とする。同39年6月、綾部支店新設。同41年福知山支店新設。
大正5年4月、資本金4万7,500円の南丹銀行を合併し、資本金24万7,500円となり、河原町支店開業。同8年5月、資本金を100万円に増資。
昭和6年1月、篠山銀行の業務(債権、債務)を継承、三田支店、有馬支店を設置。
昭和17年6月20日、金融機関統制の時局要請により、株式会社神戸銀行と合併、その内京都府下の福知山支店、同駅前支店、綾部支店の業務一切は福知山市丹和銀行へ譲渡した。
この時の預金総額は次の通り。
神戸銀行へ 10,134,511円512
丹和銀行へ 4,437,559円000
その他の銀行
明治15年、下河原町に南丹銀行、明治16年5月に篠山銀行、明治18年に上河原町に多紀銀行、明治28年に共同貯蓄銀行が何れも創立されたが、その後百三十七銀行に合併された。大正7年には城北村沢田にあった城北農業銀行を名称変更して篠山町上立町に移転、篠山商工銀行(資本金50万円)として営業を開始したが、昭和5年頃より次第に営業不振に陥り、整理中のところ、昭和7年7月29日の総会で伊丹銀行(資本金50万円)との合併がほぼ決定したが、極めて一部の株主と債権者の同意を得ることが出来ず、遂に不調となり、昭和8年7月26日の臨時株主総会で解散と決定した。
相互銀行
篠山町内に3相互銀行の支店および出張所があり、貯蓄に、中小企業の金融に活躍している。
【兵庫相互銀行篠山支店】
本店神戸市生田区三宮町1丁目、資本金5億円、昭和26年10月1日西脇支店篠山出張所として開設、同28年7月1日篠山支店となった。現支店長荻野義雄
【昭和産業相互銀行篠山出張所】
本店京都市四条通り西洞院、資本金1億5千万円、昭和25年9月1日開設、現所長矢野順一郎
【七福相互銀行篠山出張所】
本店神戸市生田区楠町2丁目、資本金6千万円、昭和24年10月1日開設、現所長小林四郎
郵便局
篠山町には篠山郵便局と特定局の乾新町郵便局、河原郵便局の3局があるが、昭和29年1月より12月に至る1ヶ年の貯金状況は次の通りである。
郵便局貯金状況
普通貯金 | 篠山局 | 受入 | 18,440口 | 34,160,607円 |
払出 | 5,638口 | 29,323,989円 | ||
乾新町局 | 受入 | 4,923口 | 14,415,624円 | |
払出 | 2,702口 | 12,990,355円 | ||
河原町局 | 受入 | 4,389口 | 10,959,268円 | |
払出 | 2,281口 | 9,604,708円 | ||
積立貯金 | 篠山局 | 受入 | 28,508口 | 13,431,200円 |
払出 | 1,527口 | 7,300,083円 | ||
乾新町局 | 受入 | 326口 | 261,500円 | |
払出 | 127口 | 331,153円 | ||
河原町局 | 受入 | 264口 | 191,700円 | |
払出 | 102口 | 264,847円 | ||
定額貯金 | 篠山局 | 受入 | 1,018口 | 12,857,500円 |
払出 | 775口 | 8,015,461円 | ||
乾新町局 | 受入 | 172口 | 2,617,200円 | |
払出 | 111口 | 1,250,475円 | ||
河原町局 | 受入 | 222口 | 3,856,400円 | |
払出 | 149口 | 1,373,502円 |
多紀郡信用金庫
大正12年4月、産業組合法に基き、有限責任篠山信用組合として創立。当時は多数の銀行があったが、町内中小企業者の金融機関が是非必要であるとの声が高く、在郷軍人会員ら有志が努力して設置されたものである。初代組合長本山又彌、昭和12年8月、保証責任に組織変更、昭和19年7月、市街地信用組合に組織変更、昭和27年3月、多紀郡一円に地区を拡張して多紀郡信用組合と改称、さらに昭和27年7月、信用金庫法に基き、多紀郡信用金庫に組織を変更して現在に至る。(昭和30年1月末現在)
預金総額 8,926万円
貸出総額 5,689万円
出資金総額 537万円
昭和21年2月、国民金融公庫代理店となった。現在の代理貸付は1千万円である。
質屋業
篠山町内に現在9軒の質屋業者があるが、資金は全部で約300万円程度である。
このページの記事は「2004年トライやる・ウィーク」で篠山市立篠山中学校の2年生3名が作成したものです。