篠山の方言アラカルトー毎日、アンコたいてんたいていやないなぁ

「一体、アンコを炊くのか炊かないのか、どっちかはっきりせんかい」と言いたくなりますが、この言葉はそういう事を問うものではなく、「毎日アンコを炊かれるは大変ですねぇ」といった意味なのです。
この「たいていやない」は、とても便利な言葉で、ある時は、ごくろうさんの意味になり、ある時はご不幸があった方への励ましになり、またある時は、人の努力をほのかに誉めたたえ、そしてまた、将来への不安を他へ転化する時などに使われます。
強調の接尾語である「わな」や「にい」などをつけるとより一層味わいが出てきます。しかし、使い方によっては、きつい皮肉にもなります。
よく外へ飲みに行かれる方は、聞き慣れていらっしゃるでしょうが、「毎晩、毎晩たいていやないなぁ」。これは決して誉めたたえや励ましではありませんよ。「いいかげんにしなさいよ」といった意味が含まれているのです。しかし飲みに行く方も心得たもので「わしもほんまにたいていやないてや」などと言って、自分は飲みに行きたくないかのように人に思わせて、実は、実は自分の行動を正当化したりしてるんですから。
このように様々な「たいていやない」が存在する篠山に、一番ふさわしいのは、一体どの「たいていやない」でしょうか・・。
 

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