篠山の方言アラカルトーあっちゃべらの家のねぎ
最近でこそ私達篠山人も観光客馴れしたのか、外出用の言葉も使えますがつい2,3年前までは、観光客の方から道を尋ねられても、たいへん理解しにくい言葉で答えたものでした。
「能楽史料館へはどう行けばいいのですか?」
「そら、あんた、あっちゃべらに信号がおまっしゃろ。それ曲がってもうて、とんと行った、郵便局のはたですわ」
「えっ、郵便局には何か目じるしの旗でも立っているのですか?」
「ちゃうてや。はたっちゅうたら、ねきのこっちゃわな」
「ねきという所のこちら側ですか・・?」
とまあ、わかったような全然わからんような会話が、よく行われたものでした。
ここ篠山は特に場所や方向・方角・位置を表すのに独特の表現を用います。つまり「あちら側・こちら側」は「あっちゃべら・こっちゃべら」、「この近く・このそば」は「このはた・このねき」となります。これらの意味さえ知っておけば何ということはないのですが・・。
そこである男女の会話をひとつ。
女「あんたのはたにおれてうれしいわ」
男「あっちゃべらのベンチでちいとみな休もか」
女「なんじぇ、ベンチのねきに何かおるにぃ。」
男「なんじょ、あれ、お前とこの犬ちゃんこう」
・ ・おそまつ。