篠山の方言アラカルトーいっぺんかだがいてみてぇな
暖かな日々が続く篠山の春。ついボーッとして物忘れが多くなる季節でもあります。
たとえば何日か前にアゲタ「おつけもん」などを食べ忘れてはいませんか。そんな時篠山の御婦人方は御主人にこう言います。
「あんたこのおつけもんベチョナイケ。いっぺんかだがいてみてぇな」
するとしばらくして御主人、
「こんなんアッカイヤイ。スゥなっとるやれい」
この会話御理解できますか。訳しますと
「あなたこのお漬物大丈夫でしょうか。変な臭いがするので一度嗅いでいただけませんか」
「これはだめだ。腐ってるよ」
となるのですが、この「かだがく」という言葉は、こういった不都合な臭いを嗅ぐときに使います。あまり奇麗な言葉ではないのですが、今なおよく使われている言葉です。良い場合と不都合な場合の嗅ぎ分けをうまく表現しているのです。
それにしても、お漬物を「アゲる」という言葉の意味も知らない人が、この篠山でも多数派になってきていることは、大袈裟かも知れませんが、本来の文化生活の欠如のような気がします。