篠山の方言アラカルトー篠山の夏はほめきます
夏を迎えた篠山では「ようほめきまんなぁ」「ほめいて、ほめいてかなんなぁ」などと「ほめく」挨拶が多くなります。
この「ほめく」というのは、何もしなくても汗ばむような、とってもとっても蒸し暑い状態を表現します。
そして注意したいのは、暑いだけでは「ほめく」と言わないことです。つまり湿度が高くなって初めて「ほめく」のです。
頬がめくれるくらい蒸し暑いからなのか、あまりの蒸し暑さの理由を鳳鳴(地元の高校)の化学の先生に聞きに行くからなのか、この「ほめく」という言葉のルーツは、はっきりしませんが、パブロフの犬が如く「ほめく」と聞いただけでうっとおしくなり、ジワーッと汗ばんでくるのは篠山人が故ではないでしょうか。
物は試しです。一度、街角の篠山人に襟のボタンのひとつでもはずし、ハンカチで額の汗をぬぐいながら、こう言ってみて下さい。「よう、ほめきまんなぁ」と。するとそこには眉間にしわを寄せた篠山人が居て、不機嫌そうに同意してくれるはずです。
篠山の夏・ほめく夏も「ヨーイヨーイデッカンショ」の音頭とともに別れを告げます。ほらほら、また始まりました・・
「なした今日はほめくんじぇ」「ほめいて、ほめいて、よんべはちぃとも寝られへんだわなぁ」「そやなぁ。こうほめいたらひんねもでけへんし・・」「かとゆうて、窓あけたぐるめ、おっじゃまのほうから変なにおいがすっだけやしなー」「ほんまに、どんなんなぁ」
(注)ひんね―昼寝 おっじゃま―王地山 どんなん―どうしょうもない