篠山の方言アラカルトーエアコンがあったら、こされやなぁ

夏の夕暮れともなると、ステテコ姿のおじいちゃんが「えんな(縁側)」でうちわ片手に孫の興じる花火を横目に、おばあちゃんがきった「まっくわ」を食べながら「ほんに今日もほめいたのぉ」と大きな独り言。
こんな情景はごく稀に見かけられるものの、もはやむかしのばなしの一幕になってしまいました。
今では、エアコンという便利な物のおかげで「どおらい、もったいないもんやと思ったけど、ほんにエアコンがあったらこされやなぁ」と会話も変わってきました。確かに、以前よりは地球も温かくなったようですが、一旦エアコンのお世話になりはじめると、うちわや扇風機には縁遠くなるもので、ご近所の団欒の響きやテレビの音、お盆の「ケンケン」も耳にすることが減ってきました。
エアコンがあるならこされ(~のおかげでの意)猛暑の中も涼しく過ごせるのですが、それと代償に失った「おとなりのうなぎのかば焼きの香り」や、家では見せてもらえなかった簾越しに見える時代劇の裏番組に「えぇ思い出をおっきにやったでぇ・・」と独り言をつぶやきつつエアコンの効いた部屋でこの原稿を書き終えるところです。
 

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