篠山の方言アラカルトー「モン」と「ガン」
ある商店での会話・・
「1030円でございます」
「そうけ、ちょっと待ってや。10円モンがあったと思うんやけど。あっ、やっぱりないわ。ごめんやけど5円モン混ぜてもよいけ?」
「は、はい・・」
初めて篠山のお店でアルバイトしたこの女性には「10円モン」や「5円モン」の「モン」の意味すらわからず、1000円札1枚と5円硬貨4枚、10円硬貨1枚を受け取ることになる。
ある駄菓子屋での会話・・
「おばちゃん、100円でおやつちょうだい」
「100円ガンけ。これとこれで98円やに」
「えっ・・」
遠足のおやつを買いに行った小学生には「100円ガン」の「ガン」の意味すら理解できず、2円のお釣りをもらって家に帰ることになる。
これらの会話に出てくる「モン」と「ガン」響きからして別に気にすることもないのでしょうが、いったいルーツは何なのかやはり気になるところです。
「モン」は昔の「文」の名残なのか「ガン」は一貫二貫の「貫」の名残なのかと頭の中はいろんな思いが駆けめぐります。ただ分かっていることは「モン」は「〇円玉」の「玉」の意味で「ガン」は「以内」もしくは「〇円分」という意味だということです。
誰が使いはじめたのかこの「モン」と「ガン」。あまり目立つ存在ではないのにやたら篠山を感じさせます。しかしながら、カゴをもってカウンターに並んでお金を払うお店では聞くことはなく、ひょっとして篠山で一番最初になくなる言葉かもしれません。
「1000円ガンですき焼きの肉ちょうだい」
「10円モン切れとるさかい、両替しといてや」
こんな会話の聞ける商店がやはり大好きです。