篠山の方言アラカルトー「この車、ガソリン生喰うけ?」
篠山地方でガソリンを入れようとスタンドへ立ち寄ると気さくなおっちゃんが、
「この車、ガソリン生喰うけ?」
「えっ?ガソリンにもビールのように生があるのですか」
「ちゃう、ちゃう。車がガソリンを生喰うけ?」
「・・??」
こうなると何が何やらさっぱりわからなくなります。
「生喰う」というのは「あまり喰わない」という意味でつまりはこの場合、燃費がよいかどうかを聞いているのです。この「生」という言葉はいろんな使い道があります。
「今朝は朝飯、生喰うたさかい、腹減って・・」とか「胃腸の調子が悪いのやからお酒は生飲みや」(この場合、生酒を飲むわけではありません)
「なまじっか」や「生はんか」の「なま」から派生したのでしょうか。
使い方によってはまるっきり反対の意味を成す場合もあります。
「この料理、生、おいしいなぁ(この料理はまずい)」
「このお造り、生、新しいな(このお造りは古い)」
こんな具合に使われもします。篠山以外で使う場合は独自の暗号としての価値はあるのですが、篠山で使うときは結構恐ろしい言葉にもなります。
ともあれこういった言葉も一つの篠山の文化だと思います。
「生」という響きが耳についたらお店の人は気を付けましょう。
「ここのみやげもん、生おいしいのぉ」「あそこの店員、生、愛想良いなぁ」「この商店街、よう賑わっとるなあ。なま!」