篠山の方言アラカルトー篠山の雨はしびれます
小雨の降る朝、篠山のお父さんはお母さんに尋ねます。「おい、どないや。」
するとお母さんは「ぴりぴりやさかい、べっちょないわ」と答えます。
また、子供たちはこう尋ねます。「今日の早朝練習あるやろか。」するとお母さんは「ぴりぴりやさかい、あるんとちゃうけ」と答えます。
決してこの会話は漏電や静電気を話題とした電気保安協会のお宅での様子ではありません。
篠山での小雨はポツリポツリでもなく、シトシトでもなく、「ぴりぴり」と降るのです。
どこまでが「ぴりぴり」なのか、それぞれの家庭で多少の差はあるものの、少しの道のりなら傘なしで歩けるくらいの降水量です。
ただし、霧雨は「ぴりぴり」とは言いません。
昔の篠山人がどのような感性で小雨を「ぴりぴり」と感じたのか、今となっては解明できません。
当時に比べればライフスタイルもずいぶんと変わり、ちょっと中途半端な田舎になりつつもありますが、ここ篠山では小雨はやっぱり「ぴりぴり」降るのです。
これも篠山のこだわりでしょうが、方言が使われなくなると比例して「物」に対するこだわりもなくなってきつつあります。
「ぴりぴりしとっけど、これだけ売れるんやろか。」
「大丈夫ですよ。売れ残りはシール張り替えて篠山以外の〇〇名産にして販売しますのでご心配なく。」
まさか、こんな特産品はないと思うのですが・・・。