民話と伝説ささやま-豆を喰いに出た絵馬 ■黒岡

この絵馬は、篠山城三代目の城主松平忠国が奉納したもので、黒岡の春日神社の境内絵馬堂に掲げられており、町の文化財に指定されている。

その昔、黒岡の太郎兵衛という人が、田の畔に作っている豆が一夜の内に喰い荒されているのをびっくり、「こんなところまでよもや猪がくることもなかろう」と思っていた。ところが次の日の夜もまた荒らされていた。よく見ると畑に馬の足跡らしいものがついていたので、「ははあ、ひょっとしたら、これはあの絵馬が絵から抜けだし、豆を食いに出てきたものかもしれない」と思い、さっそくその絵馬に金網を張ったら、不思議にもそれから豆を食い荒らすことがなかったという。

絵馬に金網が張られていたことは事実で、今は金網も除かれ、新築された絵馬堂の中、中央に掲げられている。

「篠山町百年史」より

※春日神社には江戸時代後期に作られた能舞台があり、元旦の翁能、春の春日能、秋の丹波夜能の三大能が奉納されます。

春日神社の絵馬の写真春日神社の能舞台の写真1春日神社の能舞台の写真2

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