本郷の春日神社本殿が国有形登録文化財に登録されました

  平成27年11月17日(火曜日)に篠山市本郷の春日神社本殿が国の登録有形文化財に登録されました。同年7月17日に開催された国の文化審議会文化財分科会で審議が行われ、答申が行われておりましたが、11月17日に官報告示が行われ、正式に登録有形文化財となりました。
 春日神社本殿の登録有形文化財登録にあたっては、地元の草山郷づくり協議会の方々が中心となり、数年に亘って準備や調査などにご尽力され、今回の登録に至りました。12月24日には篠山市教育委員会前川教育長より登録証と登録プレートの伝達が行われました。
 この登録により、篠山市内の国登録有形文化財(建造物)は5か所(32件)となりました。

本殿覆屋遠景 春日神社本殿
春日神社本殿・覆屋全景 春日神社本殿 
中井清次郎正用刻銘 dentatu.jpg
中井清次郎正用の刻銘 登録証・プレートの伝達


1 登録された文化財の概要

名称 春日神社本殿(春日神社本殿)
所在地 篠山市本郷字口ノ坪141-1
登録年月日 平成27年(2015)11月17日
年代 弘化3年(1846)
所有者 宗教法人 春日神社
登録基準 二 造形の規範となっているもの
特徴評価 山間の境内上段に西面する覆屋内に建つ。三間社流造、軒唐破風付で、庇は中柱を省き一間とする。三方に縁を廻らし、妻は出組で二重虹梁の妻飾を受ける。彫刻は中井清次郎正用の作になり、向拝廻りの龍や鳳凰の濃密かつ躍動的な彫刻に彫物師中井家の作風を示す。

備考

建立年代は棟札による。毎年秋に境内で行われる「本郷春日おどり」は市指定無形民俗文化財に指定されている。覆屋は一部古材を再利用して平成26年に再建された。中井清次良正用は六代権次正貞の弟にあたる。

※「三間社流造(さんげんしゃながれづくり)」正面の柱間数が三間の神社のうち、切妻造平入りの正面側に庇(向拝)をつけた本殿。
※「軒唐破風(のきからはふ)」軒先の一部に造り出された唐破風(屋根の妻に垂木を隠すように取り付けられた破風という厚板の一形式で、中央部がむくり、左右で反転して破風尻でほぼ水平になるもの)。
※「出組(でぐみ)」壁面から前方へ一段出て丸桁を受ける形式の組物。
※「棟札(むなふだ)」建物の新築、修理などをした際に、施主・施工者名・年月日・祈願文等を墨で書き付け、棟木等に打ち付ける、上部が駒形をした細長い板。
※「覆屋(おおいや)」主に本殿を保護するために設けられている建物で、社殿を覆うように外側を囲っている。 

2 参 考
(1)登録件数 
全国

項目 新規登録 累計
登録件数 195件 10,382件
関係市町村 56市町村 852市町村(区)
関係都道府県 28道府県 47都道府県


篠山市

項目 新規登録 累計
登録件数 1件(1か所) 32件(5か所)


(2)篠山市内の登録有形文化財(建造物)

No. 名称 登録年月日 所在地
1 鳳鳴酒造主屋ほか9件 平成15年9月19日 篠山市呉服町
2 上田家住宅主屋 平成16年2月17日 篠山市犬飼
3 西尾家住宅主屋ほか11件 平成16年7月23日 篠山市大山上
4 小田垣商店 店舗ほか10件 平成19年10月2日 篠山市立町


(3)登録文化財制度
 文化財の指定制度を補完するものとして、平成8年の文化財保護法改正時に導入されたものが文化財登録制度です。届出と指導、助言、勧告を基本とする緩やかな保護措置を講じ、所有者による自主的な保護を促進し、文化財保護の実効を図るものです。登録文化財の登録基準は、築後50年を経過している建造物で、次の3つの基準のいずれかに当てはまるものです。
 一 国土の景観に寄与しているもの
 二 造形の規範となっているもの
 三 再現することが容易でないもの

 


リンク集(外部サイト)


 

篠山城大書院 篠山歴史美術館 青山歴史村 

 

安間家史料館 

 

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