本篠山バス停から徒歩約3分江戸時代そのままに妻入の商家が立ち並ぶ河原町を約150メートル入った左側に、白壁土蔵造りの2棟の建物をうまくアレンジした「丹波古陶館」がある。
館内には、丹波焼の創世記から江戸時代末期に至る約700年間の代表的な作品が分類して展示されている。丹波焼は日本六古窯(瀬戸・常滑・越前・信楽・丹波・備前)の一つとして有名であるが、かつて、古丹波は素朴な庶民的な焼物と思われていた。ところが近年、古陶の中でも一番色彩感に富んだ、美しい焼物として注目を集めている。その見どころは一貫して、釉薬の変化にあると言われる。穴窯の時代は自然釉の変化、登窯の初期は灰釉と赤土部釉の発色、末期は化粧土・土灰・栗皮等釉薬の流れに見る者の心を魅了する。
館蔵品のうち312点が県の文化財に指定されている。すぐ東隣には「能楽資料館」があり、藩世時代はもちろん、中世から近世にかけての、能面、装束、楽器などを展示している
「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
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