上立町バス停から徒歩約5分梅の小路を西方へ行き黒岡川にかかる割場橋を渡った右側に「又四郎稲荷大明神」の祠が建てられ、「乙姫龍王神」とともに祭ってある。
第4代篠山城主形原松平康信の甥に、「松平又四郎」という青年がいた。身を寄せている藩主松平家を笠に着て、奔放無頼の生活を送るようになった。康信は、直接間接に意見をしても改まらないので、不憫ながら又四郎を討ち果たそうと決意し、刺客たちに命じて暗殺させたのである。
その後、城下の町民たちが、若くして惨死した又四郎の剛勇闊達さと溢れるような生気を称え、稲荷神と習合し、篠山城の鬼門に祭り、除災と繁栄を祈ったものであろう。
そして、江戸両国の回向院広場での上覧大相撲で大活躍をし、時の老中・篠山城主青山忠裕公を大喜びさせたという、王地山平左衛門ら一行8名の力士の説話に、「頼尊又四郎」の名前で、登場している。
勝利守護と家内安全・商売繁盛・合格成就の神として信仰されている。
「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
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