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般若寺城跡(般若寺)

般若寺バス停から徒歩約7分

 現在、正覚寺があるところには、もと波多野氏の祈願所の般若寺があったことは前に述べた。その背後の小山に、天正6年(1578)、明智光秀が八上城を包囲攻撃するため、向城として築いたのが「般若寺城」である。向城とは、付城ともいい、敵の城を攻めるとき、それと対して築く城のことである。(本城に付属した城をいう場合もある)
 目の前に八上城があり、監視所として最適の位置にあったわけで、明智治右衛門が城将となり、前方の道路を遮断するなど包囲作戦の拠点となっていた。
 『篠山領地志』や『丹波志』などによると、山頂に350平方メートル位の主郭(本丸)が東西に長い平坦地をなし、ほかに東に二つ、西に一つ、南に二つの曲輪の平坦地があったようである。また、本丸の90メートルほど下に、約97平方メートルの屋敷があったということから、般若寺の建物を館にしていたと考えられる。
 なお、山中には、日輪山西方寺跡や正保3年(1646)に出土した如意輪観音像を祭る観音堂があった。

「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
※地名・交通経路等は書籍発行時のもので、現在の状況とは異なる場合がありますのでご注意ください。