神宮前バス停から徒歩すぐ和田の三差路を北へ約1キロ、大渕を過ぎ畑川を渡ると間もなく、延喜式内社の風格を備えた「佐佐婆神社」がある。もとは、神奈備山とされる八百里山の麓にあって、社伝に「孝霊天皇(前290~13)の勅命により創建した」とあり、蘇我氏縁の神社とも伝え、天正年間(1573~92)にここに移したと言われる。
ご祭神は、天之忍穂耳尊(あまのおしほみみのみこと)、志夫美宿祢王、天之宇受売命(あまのうずめのみこと)、八幡大神、春日大神、住吉大神などで、中世より畑荘(曽我部荘)の総社である。
「丹波志」その他によると、初めは楽々庭(ささば)大明神といい、のちに八幡神社と称するようになり、縁によって延応元年(1239)、後鳥羽上皇のご分霊を隠岐から迎えたとされる。
細川氏、波多野氏、畑氏などが崇敬し援護を続け、その後、歴代の篠山城主も尊崇し、社殿の再建や増築をするなど厚い保護をしてきた。境内に、後鳥羽上皇の宝塔と細川満国の百度石がある。
毎年、10月第1土・日の例祭は、畑祭ともいい、近年流鏑馬も復活し、神輿3基、山車10台、太鼓みこし7台が出て壮観華麗である。
「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
※地名・交通経路等は書籍発行時のもので、現在の状況とは異なる場合がありますのでご注意ください。