鳳鳴高校前バス停から徒歩約8分寺内の集落を北上すると、昼目谷というところに、郡内の延喜式内社、九座七社の一つ「大賣神社」がある。太陽の女神・天照大神のことを大日めの貴(おおひるめのむち)とも称するので名付けられたと思う。
主祭神は、大宮売命(おおみやのめのみこと)である。この神は、太玉命の子で、天照大神に奉仕して、君臣間の感情をやわらげる女神で、保食神でもある。
『篠山封彊志』には「大売、昼目等の名を以って考ふるに大神宮なるべし」としている。
昔は、三箇北荘11ヵ村の氏神であった。八上城主波多野秀治は、祈願所とし、自ら大般若経350巻を書き写して奉納している。また、歴代の篠山藩主もこの神社を崇敬し、神田の寄進や社殿の再建をしている。
本殿の南東に「鳥居の袴石」と言う巨大な礎石(町・民)があるが、知足廃寺の礎石の一つと伝えられる。ほかに、室町期作とみられる石造狛犬(町・文)がある。
毎年、10月11日の例祭には鳳れん渡御の儀式があり、荘厳華麗で、多くの参拝者が集る。
本殿の西側にある「笠鷺稲荷神社」は、五穀豊穣・商売繁盛・家内安全のほかにおでき解除のご利益があると有名である。
「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
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