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安生山大膳寺(曹洞宗)(西岡屋)

警察署前バス停から徒歩約10分

 諏訪神社の前の道を少し行って信号のある交差点を右折すると、右側に禅宗らしいたたずまいの大膳寺がある。
 古くは安楽堂と称したという。元諏訪と言われる丹南町古佐の諏訪神社の別当寺を薬王山安楽寺といったと聞くし、この大膳寺も諏訪奧之院と称していることからも、諏訪神社の神宮寺であったと思われる。
 縁起によると神亀年間(724~29)の創建で、ご本尊の十一面観世音菩薩立像は行基大僧正の作という。戦乱などで大破していた堂宇を、慶長18年(1613)、洞光寺十五世要山玄的大和尚が再興し、その後、元和元年(1615)、一山全国大和尚が中興の祖となったとされる。
 諏訪神社が安産の神様として有名なのは、八坂刀売神(やさかとめのかみ)にあやかるだけでなくて、同寺の山号の安生山にちなんで始まったのであろうし、ご本尊の十一面観世音菩薩は安産・痘瘡に霊験があるということからも考えられる。
 なお、北西の池のほとりに、「後藤又兵衛尉基次」の五代孫淨入、六代孫正信の墓が建っている。

「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
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