東本荘バス停から徒歩約5分東本荘の北部山麓に通じる道端に「宝鏡山洞光寺」と書いた古い大きな門柱が立っている。昔はここが街道だったのである。その先に、杉やカシの大木におおわれ、土塀をもった南門があり、脇に「顯彰曹洞宗大本山総持寺元輪番地」の石柱がある。苔むした階段を上ると、一間一戸、高欄つきの回縁をもつ楼門が、寺格の高さを思わせている。
この寺は、南北朝時代の文中3年・応安7年(1374)に母子(三田市)の永沢寺の開山、通幻寂霊和尚の十哲(10人の高弟・立派な弟子)の一人である天鷹祖祐禅師が34歳の時、多紀、氷上郡最初の曹洞宗寺院として創建した。
ご本尊は、十一面観音菩薩立像である。
その後、足利将軍家や丹波守護細川氏の支持により丹波三ヵ寺の一つとなり、江戸時代には10万石の格式が与えられ、末寺は53ヶ寺にも及んでいる。
しかし、天正年間以降、度々火災にあい、待望の本堂は、昭和49年に再建された。昔をしのぶ参道や菖蒲池・宝鏡岩・鳳凰林などがあり、数多いモミジの老木は大変見事である。
「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
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