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北条古墳(細工所字北条)

松ヶ鼻バス停から徒歩約5分

 松ヶ鼻バス停の北約200メートルの山麓のゆるやかな傾斜地に「北条古墳」がある。北側からのびる舌状尾根を切断して造っているので、北が高く南が低い形になっており、昭和43年3月の測量調査によって、一辺が30メートルの方墳であることが判明した。
 墳頂部分は開墾されているし、北側は土がとられ、道路にするなどにより、かなり変形しているが、築造年代は、5世紀後半のもので、県指定の史跡になっている。
 濠や葺石はないが、円筒埴輪、形象埴輪(家型埴輪・短甲型埴輪等)が出土している。内部施設は粘土槨と考えられ、採土された断面には主体部の堀形が見られ、ここから埴輪片とともに刀剣類が発見されている。
 このあたりは、南方には東西に主要道路と篠山川が、東方は福住を経て園部へ、北東へぬけると船井郡という交通の上で大切なところであって、農耕地に恵まれ、住環境もよく、古くから生活が営まれ、周辺には縄文・弥生時代の遺跡もある。
 北方には岩井山古墳群、西約300メートルには、ここと同じく一辺30メートルという方墳の「姫塚古墳」のほか、付近には多数の円墳があり、これらとの関係が大変重要視されている。

「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
※地名・交通経路等は書籍発行時のもので、現在の状況とは異なる場合がありますのでご注意ください。