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石材

美しく積み上げられ380余年の風雪に耐えてきた篠山城の石垣を仰ぎ見るときだれもがこんな大きい石をどのように集めて積み上げたのか不思議に思われるでしょう。
城の基礎は石垣であることはいうまでもありません。これら大きな石を集め積み上げるのには実に多くの領民や賦役に駆り出された民衆の力によるものです。
これらの石は主として丹南町当野の石切り場から運ばれてきたもののほか付近の旧山城のものを使ったり城北の鷲尾谷を石場としたり周辺の谷からも運搬しました。
石材の採掘には石にノミで穴をあけクサビを打ち込んで割り巨石は修羅やコロテコなどを用い太い綱やクサリを取り付け牛を使って引いて来たといわれています。
篠山城の築城は6月から9月にかけて石垣工事が中心であったため炎暑と苦役に耐え兼ねて多くの犠牲者が出たといわれています。
石切り場であった丹南町当野地区の山腹には採掘作業の犠牲者の供養塔があり今の村人たちによって供養が続けられています。
築城後260年間城の主は代わりましたが城郭や石垣が美しく保たれてきたのは篠山藩領民の賦役によることを忘れてはならないでしょう。