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時を告げた太鼓櫓


篠山城古絵図にみる太鼓櫓

「いま打つは城の七ツか降るは雪」。

これは江戸時代の俳人・西尾武陵(現、丹南町大山上)が詠んだ句で、七ツと言えば今の午後四時にあたる時間で、降りしきる雪の下で、時を知らせる太鼓が鳴っている情景を表したものです。
ところで、江戸時代になると、江戸をはじめ、各地で時報の設備が整えられ、太鼓や鐘によって時刻が知らされました。
その時報は今の二十四時間を十二等分し、それぞれ十二支で表しました。そして卯の刻を午前六時、酉の刻を午後六時とし、子の刻を真夜中、午の刻を真昼と定めました。俳句にある七ツは、申の刻に太鼓を七ツ打ったことを言っています。
全国の城、陣屋等に必ず太鼓を打って、時刻を知らせたり、登城、下城の時刻を知らす太鼓櫓、太鼓楼がありました。
篠山城の太鼓櫓は、三の丸から二の丸に上がる北廊下門の右、現在の篠山中学校へ入る道路の北側にありました。
江戸時代に書かれた城の絵図によりますと、板葺きの二層の建物になっていました。この櫓から時を知らせる太鼓の音は、城下に鳴り響いたことでしょう。