水は人々が生活を営むのに最も大切なものであり、当然城郭の中にも何カ所かの井戸が設けられました。 篠山城には、本丸二の丸に3カ所の井戸が作られ、城中の水を賄っていました。 その中でも二の丸北にある井戸が最も大きいもので、上部の直径が2メートル、底へいくほど広くなっているといわれ、水面までの深さは14メートル,水深は8メートルもあります。 この井戸は、築城以前は黒岡川が岩壁に突き当たって淵になっていたところであり、片側は自然の岩壁を利用したもので、もう片方に積み上げていく、積み上げ式のものであるといわれています。 黒岡川の川底に竹束を埋め、水脈を利用しているため、どんな日照りでも枯れたことがないといいます。 本丸と二の丸南の井戸は掘り抜いたもの、特に本丸の井戸は岩盤をくりぬく大工事で、井戸の上に小屋をかけ、昼夜べつなく雨の日も掘り続けて2年かかったといわれています。 今もきれいな水を満々とたたえていますが、先人たちの苦労をしのばずにはいられません。 参考文献 「篠山城ー史跡篠山城跡保存管理計画策定書ー(1978年篠山町教育委員会) 監修 篠山城大書院復元室 |