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 塀は土塁や石垣の外回りに長く囲って防御するための施設です。住宅や社寺にも塀がありますが、城郭の塀は軍事的要素をもって造られたものです。
当初、城郭の塀は臨時的な柵のようなものから、しだいに板塀になり、さらに火矢や鉄砲を防ぐ土壁へと変って行きました。
近世城郭の塀は、大きく別けて板塀、土塀、石塀の三種類になります。
篠山城の塀は全て土塀で、大手・南・東の馬出、および三の丸と外濠を隔てる土塁などに造られていました。形式は数㍍ないし数十㍍おきに「く」字状の屏風折れになっており、狭間と呼ばれる穴が開いていました。
狭間は矢や鉄砲を打ち込むための穴で、その大きさや形は使用する目的によって違っていました。矢を打ち込む「矢狭間」は長方形、「鉄砲狭間」は円形、正方形、三角形とするのが一般的でした。篠山城の場合は、「く」の字となる屏風折れの部分や虎口の重要な箇所は円形の「鉄砲狭間」となっていました。
また、三の丸土塁の塀は矢狭間」と「鉄砲狭間」が交互にならぶ狭間によって固められていました。このように篠山城は防御を中心にしながらも、美的な感覚も取り入れ造られていることや城を維持し、美しく保って来た先人の労苦を忘れてはならないでしょう。

 監修 篠山城大書院復元室