大書院の屋根仕上げ |
城には天守閣、櫓、門、塀等の他に殿舎と呼ばれる御殿群が建てられました。 これらの建物群の内、天守閣をはじめ櫓、門、塀等の屋根仕上げは瓦茸が大半を占めたのに村し、殿舎の建物群には、柿茸、檜皮茸仕上げの屋根が比較的多く、まれに木賊茸仕上げの屋根も見られます。 城内における殿舎は、接客や公式行事に使われる表向きと、城主の政務、住まいが中心となる奥向さとに分かれ、櫓、門、塀等とは違い「武家諸法度」のはんちゅう外とされ、城主の好みによって増築や改築が比較的容易に行われたといわれています。 そして、これらの建物の屋根仕上げは、造営当初は柿茸や檜皮茸が用いられましたが、京都二条城の二の丸御殿群や篠山城大書院のように後年、瓦茸に改められた例もあります。 現在、復元を進めている篠山城大書院の屋根仕上げは、造営当初の姿そのままに柿茸で行われ、木曽産のサワラ材を使い、数枚を重ね合わせ竹クギでとめていく、大変根気のいる仕事です。国宝や重要文化財等の建造物の屋根修理を手掛けた専門の業者によって進められており、1月には大書院すべての屋根が葺きあがります。 参考文献(ぎょうせい)復元大系日本の城19−城郭の歴史と構成− |