今年は、篠山城が築城されて から390年という記念すべき
年にあたります。 満々と水をたたえた濠、堂々とそびえる苔むす高石垣、四季 折々に変わりゆく自然など、篠山城は390年の時を越えて、篠山の移りゆく姿をみつめてきました。 今、篠山城は本丸、二の丸の 高石垣修復工事が完了し、さら に多くの方々のご支援を受けて 「二の丸御殿大書院」の復元建 築工事を進めております。 この大書院を復元しようとす る根拠は二つあります。 その一は今日まで、篠山城を 美しく保ってきたのは、篠山領民の力であり、この尊い歴史の 教訓を、大切にしていきたいこ とです。 その二は価値の高い文化財の復元です。 これから先、新市篠山のシン ボルとして、街づくりの核とな るだけでなく、後世に残る文化 遺産となるでしょう。 大書院の復元は単に歴史的建 造物の再生ということのみ価値 をもっているものではありません。多くの先人たちが、血と汗と涙の苛酷な賦役と苦闘の中で造り上げ、維持してきたのが篠山城であり、文化でもあるのです。 伝統のかたちをかたくなに守 ってきた篠山人、かけがえのな い文化遺産を次なる時代につな ぐのは、今に生きる私たちの使 命でもあります。 監修 篠山城大書院復元室 |