○丹波篠山市自治基本条例

平成18年6月16日

条例第32号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 基本原則(第3条―第11条)

第3章 権利及び責務(第12条―第19条)

第4章 まちづくりの目標と推進(第20条―第27条)

第5章 条例の改正と位置付け(第28条・第29条)

附則

私たちのまちは、21世紀の地方分権時代のまちづくりに備えて、旧多紀郡の篠山町、西紀町、丹南町及び今田町が、平成11(1999)年4月に合併して誕生しました。

デカンショ節で知られる丹波篠山は、兵庫県の中東部に位置し、四方を緑豊かな山々に囲まれ、秋には深い霧が立ちこめます。この特有の風土や先人たちの努力が、山の芋・黒大豆などの特産物や、丹波焼・春日能などの伝統文化を育み、豊かな田園文化を築いてきました。

私たちは、こうした歴史を大切にしながら、互いに力を合わせ人権・平和・環境を守り、幸せに暮らせるまちづくりを目指してきました。そして、今、市民と市が一体となってみんなで考え、みんなで責任をもってまちづくりを進めるという自治のあり方が求められています。

この条例は、このような自治の理念とその基本を定め、市民と市の参画と協働の手法を明らかにすることによって、「誰もが住みやすく愛される丹波篠山」を実現するためのしくみを整えるものです。

私たちは、自治の最高規範として、ここに丹波篠山市自治基本条例を定めます。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、丹波篠山市における自治の理念を明らかにするとともに、まちづくりに関する基本事項を定め、もって、個性豊かで活力ある自立した地域社会の実現と、市民福祉の充実を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 市民 市内に居住する者、市内で働く者、学ぶ者、活動するもの及び市内で事業を営むものをいう。

(2) 市 市議会及び市の執行機関を含めた地方公共団体をいう。

(3) 参画 市の施策や事業等の計画、実施及び評価等、まちづくりの過程に、市民が主体的にかかわることをいう。

(4) 協働 市民と市又は市民と市民とが、それぞれの役割と責任を担いながら、対等の立場で、相互に補完し協力することをいう。

第2章 基本原則

(参画と協働によるまちづくり)

第3条 市民及び市は、第1条の目的を達成するため、参画と協働によるまちづくりを推進する。

(市政運営の基本)

第4条 市は、市政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、市民の権利及び利益を保護することを基本とする。

2 市は、市民自治の実現のため、市民が市の保有する情報を知る権利及びまちづくりに参画する権利を保障し、協働によるまちづくりを積極的に推進するよう努めるものとする。

3 市長は、市民の意向に的確かつ柔軟に対応するため、行政組織の横断的な調整を図り、総合的に行政サービスを提供するものとする。

4 市長は、市の将来や市民生活に関係する重要なまちづくりの施策の計画、決定、実施及び評価に当たっては、パブリックコメントやタウンミーティングのほか多様な手法により、広く市民の意見を求めるとともに、市の考え方を公表するものとする。

(危機管理)

第5条 市は、災害等の不測の事態に迅速かつ的確に対処し、市民の生命、財産及び暮らしの安全を確保するため、市民、関係機関及び他の自治体等との協力及び連携により総合的かつ機動的な活動が図られるよう危機管理体制の確立に努めなければならない。

2 市民は、自ら災害等に備えるとともに、災害等の発生時においては、相互に協力し、災害等の対応に努めるものとする。

(情報の共有、提供及び公開)

第6条 市民及び市は、まちづくりに関する情報を共有するものとする。

2 市は、市民に対し、市が保有する情報を積極的に公開するとともに、分かりやすく提供しなければならない。

3 市は、市民が容易に情報を得られるよう、仕組みや体制を整備するとともに、情報を適正に収集、保存しなければならない。

(説明責任)

第7条 市は、市民に対し、市の計画、事業及び結果に関して、説明責任を果たすよう努めなければならない。

(個人情報の保護)

第8条 市は、市民の権利及び利益が侵害されることのないよう、個人情報の収集、利用、提供及び管理等について必要な措置を講じなければならない。

(会議の公開)

第9条 市長は、市の執行機関に置く附属機関等の会議を公開しなければならない。ただし、法令に定めのあるもの又はその会議が特定の団体や個人の権利又は利益に関するものなど、公開することが適当でないと認められるときは、理由を明らかにし、公開を制限することができる。

(総合計画)

第10条 市長は、総合的かつ計画的な市政運営を図るための基本となる計画(以下「総合計画」という。)を策定するものとする。

2 市は、総合計画について、適宜検証及び評価をし、必要に応じて見直しを行うものとする。

3 市長は、各分野の個別計画を策定するときは、総合計画と整合を図らなければならない。

(財政運営の基本)

第11条 市長は、総合計画及び行政評価を踏まえた予算編成及び執行に努め、健全な財政運営を図らなければならない。

2 市長は、市が保有する財産の適正な管理及び運用に努めるとともに、市及び市が資本金、基本金その他これらに準ずるものの2分の1以上を出資する法人の財政状況を、市民に分かりやすく公表しなければならない。

第3章 権利及び責務

(市民の権利及び責務)

第12条 市民は、まちづくりの主体であり、まちづくりに参画する権利を有する。

2 市民は、まちづくりに関する情報について、その提供を受け、又は自ら取得する権利を有する。

3 市民は、一人ひとりがまちづくりの主体であることを自覚し、自ら考え、互いの意見を理解し尊重しながら責任ある行動により、まちづくりの推進に努めるものとする。

(子どもがまちづくりに参画する権利)

第13条 満18歳未満の青少年及び子どもは、それぞれの年齢に応じて、まちづくりに参画する権利を有する。

(事業者の権利及び責務)

第14条 事業者とは、市内で事業活動を行うものをいう。

2 事業者は、まちづくりの主体として、まちづくりに参画する権利を有する。

3 事業者は、地域社会の信頼と理解を得るとともに、環境を保全し、安全で安心なまちづくりの推進に努めるものとする。

(法令遵守及び公益通報)

第15条 市は、法令を遵守し、市政を公正に運営しなければならない。

2 職員は、公正な職務の執行を妨げるような違法又は不当な事実があると思料するときは、その事実を別に定める機関に通報することができる。

3 市は、前項に規定する通報を行った職員に対し、そのことを理由に不利益な取扱いをしてはならない。

4 前2項に規定する公益通報に関する必要な事項は、別に条例で定める。

(議会の役割及び責務)

第16条 市議会は、市の意思決定機関として、市民の意思が適切に反映されるよう、市政を監視するものとする。

2 市議会は、全ての会議を原則公開とし、議会の保有する情報を市民と共有し、開かれた議会運営を行うものとする。

3 市議会は、市議会議員が次条の責務を果たすため、政策研究活動等の支援体制を整備するものとする。

(議員の責務)

第17条 市議会議員は、議会運営を通じて自治の実現、まちづくりの推進に努めなければならない。

2 市議会議員は、総合的な視点に立って、公正かつ誠実に職務を遂行し、市民の負託に応えなければならない。

3 市議会議員は、政策の提言及び提案に努めなければならない。

(市長の役割及び責務)

第18条 市長は、市の代表者として市の事務を管理し、公正かつ誠実に市政を執行しなければならない。

2 市長は、市政運営を通じて自治の実現、まちづくりの推進に努めなければならない。

3 市長は、前項の責務を果たすため、職員を指揮監督し、人材育成に努めなければならない。

(職員の責務)

第19条 職員は、自らも地域社会の一員であることを認識し、積極的にまちづくりの推進に努めるものとする。

2 職員は、公正、誠実かつ効率的に職務を遂行しなければならない。

3 職員は、職務の遂行に必要な知識、技能等の向上に努めなければならない。

第4章 まちづくりの目標と推進

(まちづくりの基本)

第20条 市民及び市は、次に掲げるまちづくりを推進する。

(1) 人権を尊重し、擁護するまちづくりを推進する。

(2) 男女共同参画社会を実現するまちづくりを推進する。

(3) 丹波篠山の自然環境と市民の生活環境を守り、安全で安心して暮らせるまちづくりを推進する。

(4) 丹波篠山の伝統や文化を重んじ、市民の生涯学習を実現するまちづくりを推進する。

(5) 丹波篠山の風土に合った産業を、積極的に育てるまちづくりを推進する。

(6) 丹波篠山の次の世代を担う子どもたちが、夢と希望をいだき、健やかに成長するまちづくりを推進する。

(コミュニティの意義と支援)

第21条 コミュニティとは、市民が互いに助け合い、心豊かに暮らすことを目的として、自主的に結ばれた組織等をいう。

2 市民は、まちづくりを多様に支えるコミュニティの役割を認識し、尊重するものとする。

3 市は、コミュニティの役割を認識し、必要に応じて支援するものとする。

4 コミュニティを生かしたまちづくりの推進は、次に掲げるとおりとする。

(1) 市民は、自らが主体となってコミュニティ活動に参加し、まちづくりの推進に努めるものとする。

(2) 個人での取組が困難なときは、近隣住民及び自治組織やボランティア組織等が取り組むよう努めるものとする。

(3) 市民だけでの取組が困難なときは、市が、市民と共に取り組むものとする。

(交流及び連携)

第22条 市民及び市は、市外の人々との連携を図り、まちづくりを推進するものとする。

2 市民及び市は、国際交流を促進し、国際的な視野に立ったまちづくりに努めるものとする。

3 市は、共通する課題の解決を図るため、関係する地方公共団体等との連携及び協力に努めるものとする。

(附属機関等への参加)

第23条 市長は、市の執行機関に置く附属機関等の委員については、幅広い人材を選出するものとする。

2 市長は、市の執行機関に置く附属機関等の委員構成に、市民の中から公募の委員を選任するよう努めなければならない。

(意見、要望及び苦情等への対応)

第24条 市は、市民からの行政に関する意見、要望及び苦情等があったときは、速やかに事実関係を調査し、誠実に対応するものとする。

2 市は、前項の規定による対応を迅速かつ適正に行うため記録を作成し、整理、保存に努めるものとする。

(行政評価)

第25条 市長は、能率的かつ効果的な市政運営を進めるため、行政評価を行い、その結果を公表するものとする。

2 市長は、市の将来や市民生活に関係する重要なまちづくりの施策について、市民参画による評価を行い、必要な見直しを行うものとする。

(外部機関による監査)

第26条 市は、適正で効率的な行財政運営を確保するため、外部機関その他第三者による監査を実施することができる。

(住民投票)

第27条 市は、市政の重要事項について、市民の意思に沿ったまちづくりを推進するため、住民投票を実施することができる。

2 市民、議会、市長及び職員は、住民投票の結果を尊重しなければならない。

3 請求、発議、投票資格及びその他の住民投票の実施に必要な事項は、別に条例で定める。

第5章 条例の改正と位置付け

(条例の見直し及び検討手続き)

第28条 市は、この条例の施行後4年を超えない期間ごとに、この条例が丹波篠山市にふさわしいものであり続けているかどうか等を検討し、その結果に基づき見直しをするものとする。

2 市は、前項に規定する検討及び見直しを行うに当たっては、市民の意見を聴取するとともに、これを反映させなければならない。

3 市は、まちづくりの進捗状況等が、この条例に沿っているかを審議するため、丹波篠山市自治基本条例検証委員会(以下「委員会」という。)を設置するものとする。

4 委員会の組織、運営その他必要な事項は、別に規則で定める。

(最高規範)

第29条 この条例は、丹波篠山市における自治の基本原則とまちづくりの基本事項を定める最高規範であり、市民及び市はこれを最大限尊重しなければならない。

2 市は、この条例の内容に即して、他の条例及び規則等の体系化を図らなければならない。

附 則

この条例は、平成18年10月1日から施行する。

附 則(平成24年3月16日条例第5号)

(施行期日)

1 この条例は、平成24年4月1日から施行する。

(篠山市附属機関等の会議及び会議録の公開に関する条例の一部改正)

2 篠山市附属機関等の会議及び会議録の公開に関する条例(平成18年篠山市条例第46号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(篠山市附属機関等の委員の公募に関する条例の一部改正)

3 篠山市附属機関等の委員の公募に関する条例(平成18年篠山市条例第47号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(篠山市まちづくり条例の一部改正)

4 篠山市まちづくり条例(平成22年篠山市条例第45号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

附 則(平成27年3月30日条例第8号)

(施行期日)

1 この条例は、平成27年4月1日から施行する。

(篠山市附属機関等の委員の公募に関する条例の一部改正)

2 篠山市附属機関等の委員の公募に関する条例(平成18年篠山市条例第47号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(篠山市まちづくり条例の一部改正)

3 篠山市まちづくり条例(平成22年篠山市条例第45号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(篠山市地区のまちづくり推進条例の一部改正)

4 篠山市地区のまちづくり推進条例(平成24年篠山市条例第25号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(篠山市住民投票条例の一部改正)

5 篠山市住民投票条例(平成25年篠山市条例第32号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(篠山市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

6 篠山市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(平成11年篠山市条例第46号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

附 則(平成31年3月15日条例第5号)

(施行期日)

1 この条例は、平成31年4月1日から施行する。ただし、前文の改正規定及び第20条の改正規定は、平成31年5月1日から施行する。

(調整規定)

2 前項ただし書の場合において、篠山市自治基本条例の規定は、この条例によってまず改正され、次いで市の名称変更に伴う関係条例の整理に関する条例(平成30年篠山市条例第36号)によって改正されるものとする。

丹波篠山市自治基本条例

平成18年6月16日 条例第32号

(令和元年5月1日施行)

体系情報
第1編 規/第1章 市制施行
沿革情報
平成18年6月16日 条例第32号
平成24年3月16日 条例第5号
平成27年3月30日 条例第8号
平成31年3月15日 条例第5号