○丹波篠山市みんなの手話言語条例

平成26年12月22日

条例第33号

丹波篠山市で暮らしているろう者は、市民として生活を営んできました。しかし、聞こえないため、周りとの音声言語によるコミュニケーションや交流が難しく、また、十分な情報が得られないため、地域では暮らしにくく孤立しがちでした。聞こえる人も、ろう者のことを学び、理解する機会が少なく、ろう者に話しかけることをためらい、お互いが十分にわかり合うことができませんでした。

手話は、手指や体、表情等で視覚的に表現する言語で、ろう者の中で生まれ大切に育み受け継がれてきました。それは、日本語とは異なる独自の体系をもっています。そして、ろう者やろう者と係わる人たちは、手話が言語として広がり、市民が日常的に直接コミュニケーションするとともに、手話通訳などの情報保障によって、誰もが取り残されることのない社会になることを願ってきました。

私たちは、障害者の権利に関する条約や障害者基本法において、手話が言語として位置づけられたことで、手話を必要とするすべての人が、いつでも自由に手話を使える地域社会となるよう取り組まなければなりません。

ここに、市民が、手話が言語であることを理解し手話の広がりを実感することで、すべての人が社会参加するとともに、こころ豊かな住みよい丹波篠山市となることをめざしてこの条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話の理解及び普及に関し基本理念を定め、市の責務と市民の役割を明らかにするとともに、市が実施する施策の基本的事項を定めることにより、手話を必要とする市民が、あらゆる場面で手話による意思疎通を行い、自立した日常生活を営み、社会参加をし、安心して暮らすことのできる地域社会が実現することを目的とする。

(手話の意義)

第2条 手話は、独自の言語体系を有する文化的所産であって、ろう者がさまざまな知識を得てこころ豊かな社会生活を営むために、大切に受け継いできたものであることを理解しなければならない。

(基本理念)

第3条 手話の理解及び普及は、手話を必要とする市民が、手話により意思疎通を円滑に図る権利を有し、その権利が尊重されることを基本として行われなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、市民の手話に対する理解を広げ、手話を使いやすい環境にするための施策を推進するものとする。

(市民の役割)

第5条 市民は、手話の理解を深め、市が推進する施策に協力するよう努めるものとする。

(施策の実施)

第6条 市は、施策を推進するための方針(以下「施策の推進方針」という。)を策定するものとする。

2 施策の推進方針においては、次の事項を定めるものとする。

(1) 手話の理解及び普及に関する事項

(2) 手話による情報取得及び手話の使いやすい環境づくりに関する事項

(3) 手話通訳者の配置又は派遣等意思疎通支援に関する事項

(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項

(委員会の設置)

第7条 施策を推進するため、丹波篠山市手話施策推進委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、施策の推進方針及び実施状況について審議し、市長に意見を述べることができる。

3 委員会は、15人以内で組織する。

4 委員は、ろう者団体、手話通訳者、公募市民、識見を有する者及び市長が適当と認める者の中から市長が委嘱する。

5 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(財政上の措置)

第8条 市は、手話に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

(委任)

第9条 この条例の施行に関して必要な事項は、市長が別に定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成27年4月1日から施行する。

(篠山市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 篠山市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(平成11年篠山市条例第46号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

丹波篠山市みんなの手話言語条例

平成26年12月22日 条例第33号

(平成27年4月1日施行)