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ささやまのみんわしゅう 文・画 田中貞典 |
■ ほらくらべむかし、篠山の人と摂津の伊丹の人が、ほらの吹き合いを始めました。まず、丹波の人が、 「丹波篠山には、三嶽という高い山がある。その山のてっぺんに、三本の大竹が生えとって、冬になって竹に雪がつもると、その竹がしわって、さきが丹後の宮津の海につかる。春になると雪がとけて竹が立つと、その竹の葉にぎっしりと蛤がついていて、三嶽のてっぺんに蛤の山ができるんや。」 と、いばりました。 すると、伊丹の人は、 「伊丹には酒屋がぎょうさんあって、そこには大きな酒だるがあって、その酒だるのまわりは、どのくらいかというと、三里から四里にもなる。」 と、やりかえしました。 そこで、丹波の人が、 「その、酒だるの輪はどうして作るのか。」 と、問いかけましたら、ぐっとつまって、 「そりゃ、丹波の三嶽の竹で作る。」 と、いったので、伊丹の人が負けたそうな。 |