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ささやまのみんわしゅう 文・画 田中貞典 |
■ 阿弥陀が渕弘誓寺から西の山に登ると大師堂があります。ひとときは、「板井のお大師さん」で、たくさんの人がお参りしてにぎわった時代がありました。この山すそに、阿弥陀が渕というちょっとした渕ができています。 昔、むかし、この渕からきらきらと光るものが出るので、誰も恐れて、近寄りませんでした。 ところが、ある日、勇敢な若者がこの渕へとびこんで、見たところが、渕の底にきらきらと光る金色の阿弥陀仏が沈んでいたのです。 若者は、この仏を引き上げ、さっそく背負って西の寺(蓮華寺)へ運び奉りました。 背に負うて西の寺へ行ったことから、この人は「負西」の名を賜わったそうです。 板井には、現在「笈西」の姓を名のる家があります。また、仏が出た渕でありますから、「阿弥陀渕」と呼ばれています。その上に架かっている橋を「阿弥陀橋」と言っています。 |