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ささやまのみんわしゅう 文・画 田中貞典 |
■ 竜を退治した話大むかし、篠山市がまだ一面に水をたたえ大きな湖だったころの話です。湖の底に一匹の大きな竜がすんでいました。その竜がたびたび出てきて、人の命をとるので大変困っていました。ある日、とても力の強い神さまが、この大きな竜の頭をねらって立った一矢で退治してしまわれました。 湖の水は竜の血で真っ赤になりましたが、それからだんだん水がへってしまって、みんな安心してくらせるようになりました。 この大きな竜というのは、実は篠山市の真ん中を東から西へと流れる篠山川の形を竜にたとえて言ったということで、その頭が川代の大滝の所に当たるのです。 神さまが竜の頭に矢を射たということは、水を落とすために川代を掘り割る大工事を行ったということです。 この大工事によって、湖の水がいっぺんにひいて、まん中に篠山川が現れたのです。つまり、竜に似た川が現れたのです。 むかし、篠山市が湖だったという証にその地名が残っています。「大沢」「浜谷」「沢田」「大渕」「網掛」などなど。 また王地山には貝の化石が見られます。 |