○丹波篠山市環境基本条例

平成22年3月26日

条例第9号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 基本方針(第7条―第14条)

第3章 環境基本計画(第15条・第16条)

第4章 環境審議会(第17条)

附則

私たちのまち丹波篠山は、多紀連山など山々に囲まれた美しく自然豊かな地域にあり、清らかな水や肥沃な大地、澄んだ空気に恵まれています。そこにはさまざまな歴史や文化が生まれ、それらは先人の努力で大切に守られ引き継がれてきました。この地で育まれた黒豆、山の芋、栗、松茸など多くの農産物は、丹波篠山のブランドとして全国に誇れる特産品となっています。

丹波篠山に天から落ちた一滴一滴の雨粒は、豊かな森をつくり、川となって田畑をうるおします。小川にはホタルが飛び交い、メダカが泳ぎ、子どもたちの遊ぶ姿がみられます。やがて、小川は集まり川となって、加古川、武庫川、由良川へと流れ出ます。下流に数百万人もの人々が生活する三つの河川、その「源流のまち丹波篠山」に住む私たちは、環境の大切さを認識し日々の営みを続けていかなければなりません。

近年、経済成長などに伴う社会環境の変化により、地球規模では温暖化や酸性雨、オゾン層の破壊など深刻な環境問題が起きています。また、丹波篠山市においては、森と里山の再生、ゴミの減量とリサイクル、生活環境の改善、環境意識の向上などさまざまな課題を抱えています。

私たちはこの丹波篠山で、命を育む豊かな森、清らかな水、澄んだ空気を大切に守り、身近な環境課題を克服するなど環境の保全に真摯に取り組むとともに、丹波篠山にふさわしい優れた環境を創造し、それを確実に次世代に引き継いでいくため、この条例を定めます。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、環境の保全と創造について基本理念を定め、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、基本的な施策を策定することにより、市民が現在及び将来世代にわたり、健康で文化的な生活を営むことのできる快適な環境を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上支障のあるものをいう。

(2) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他人の活動に伴って生ずる大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境に被害が生ずることをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全と創造は、次に掲げる基本理念により行われなければならない。

(1) 豊かな森や里山、清らかな水、澄んだ空気に抱かれた丹波篠山の自然環境を大切に守り、次世代に引き継ぐこと。

(2) 市民一人ひとりが環境を守ることの大切さを学び、より良き環境を創造する意識を向上させ、丹波篠山から地球規模の環境保全につなげていくこと。

(3) 里山、水辺、田園などが一体となった丹波篠山の優れた農業環境を守り、自然環境にも配慮した丹波篠山にふさわしい農業を推進していくこと。

(4) すべての市民が環境への負荷を低減する努力を続け、誰もが住みよい、住みたいまち丹波篠山にすること。

(市の責務)

第4条 市は、環境の保全と創造のため、基本的かつ総合的な施策を策定し、実施する責務を有する。

2 市は、すべての施策を実施するに当たって、この条例により、市民の快適な環境が確保されるよう努めるものとする。

3 市は、市民の自主的な活動への取組を支援するとともに、自ら率先して各種施策を推進する責務を有する。

(市民の責務)

第5条 市民は、廃棄物の排出抑制及び再生利用を図るとともに、生活上の公害発生を防止するなど環境への負荷の低減に努めるものとする。

2 市民は、環境の保全と創造に自ら積極的に取り組むとともに、市が実施する施策に参画し、及び協力するものとする。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、その事業活動を行うに当たり、公害を発生させないため、自らの責任において適切な措置を講ずるものとする。

2 事業者は、資源及びエネルギーの有効利用を図り、廃棄物の排出抑制及び再生利用を図るなど環境への負荷の低減に努めるものとする。

3 事業者は、環境の保全と創造に自ら積極的に取り組むとともに、市が実施する施策に参画し、及び協力するものとする。

第2章 基本方針

(豊かな自然環境の保全)

第7条 市、市民及び事業者は、豊かな自然環境を保全するとともに、適切な生物多様性の保持に努めるものとする。

(環境教育等の推進)

第8条 市は、市民及び事業者が学校、家庭及び地域において、環境への理解を深め、環境に配慮した生活及び事業活動を推進できるよう、環境に関する教育及び学習の推進、情報の提供等必要な措置を講ずるものとする。

(環境に配慮した農業の推進)

第9条 市、市民及び事業者は、環境保全型農業を推進し、環境への負荷の低減に配慮した農業生産活動に努めるものとする。

(地球温暖化防止対策)

第10条 市、市民及び事業者は、地球温暖化の防止に資するため、二酸化炭素その他温室効果ガスの排出の抑制に努めるものとする。

2 市は、市民及び事業者の二酸化炭素その他温室効果ガス排出の抑制に関する活動を促進するため、必要な情報の提供をするよう努めるものとする。

(環境状況の報告)

第11条 市長は、市の環境の現状及び施策の実施状況について、年次報告書を作成し、これを公表するとともに、環境審議会の意見を聴くものとする。

(必要な措置)

第12条 市長は、環境の保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な措置を講ずるものとする。

2 市民及び事業者は、市長に対し、環境の保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な措置を講ずるよう求めることができる。

(調査研究等の充実)

第13条 市、市民及び事業者は、環境の保全と創造に関する施策を適正かつ効果的に推進するため、必要な調査研究を行い、その成果の普及啓発に努めるものとする。

(国及び他の地方公共団体との連携)

第14条 市は、広域的な取組を必要とする環境施策について、国及び他の地方公共団体と連携し、その推進に努めるものとする。

第3章 環境基本計画

(環境基本計画の策定)

第15条 市長は、環境の保全と創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、丹波篠山市環境基本計画(以下「環境基本計画」という。)を定めるものとする。

2 環境基本計画は、環境の保全と創造に関する目的を達成するための具体的施策その他重要事項について定めるものとする。

3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ市民の意見を反映することができるよう、必要な措置を講ずるものとする。

4 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表するものとする。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(環境基本計画との整合性)

第16条 市長は、環境の保全と創造に影響を及ぼすことが予測される施策を策定し、又は実施するに当たっては、環境への負荷が低減されるよう十分配慮するとともに、環境基本計画との整合性を図るよう調整するものとする。

第4章 環境審議会

(環境審議会)

第17条 市は、環境の保全と創造に関する事項を調査審議するため、丹波篠山市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、次に掲げる事項を審議する。

(1) 環境基本計画に関する事項

(2) 環境の保全と創造に関し必要な事項

(3) その他市長が必要と認める事項

3 審議会は、20人以内の委員をもって組織する。

4 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱し、又は任命する。

(1) 学識経験を有する者

(2) 公募市民

(3) その他市長が必要と認める者

5 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則 抄

(施行期日)

1 この条例は、平成22年4月1日から施行する。

(篠山市環境保全条例の一部改正)

2 篠山市環境保全条例(平成11年篠山市条例第141号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(篠山市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

3 篠山市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(平成11年篠山市条例第46号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

附 則(平成31年2月27日条例第1号)

(施行期日)

1 この条例は、平成31年5月1日から施行する。

(調整規定)

2 各条に規定する条例の規定は、この条例によってまず改正され、次いで市の名称変更に伴う関係条例の整理に関する条例(平成30年篠山市条例第36号)によって改正されるものとする。

附 則(令和元年5月29日条例第23号)

この条例は、公布の日から施行する。

丹波篠山市環境基本条例

平成22年3月26日 条例第9号

(令和元年5月29日施行)