○丹波篠山市土地利用基本条例

平成26年6月27日

条例第14号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 土地利用基本計画(第4条―第8条)

第3章 まちづくり審議会(第9条)

第4章 委任(第10条)

附則

丹波篠山市は、緑豊かな山々に囲まれた盆地や谷筋に立地し、古来より山陰道の要衝として開けてきました。近世、篠山城を中心に城下町を形成し、今も歴史的な風情の武家屋敷と商家の町並みが色濃く残っています。この城下町を中心に市街地を形成し、それを取り巻くように農地が開け、背景の山並みや山裾に分布する集落のたたずまいは、「日本の原風景」や日本人の「心のふるさと」と呼ばれています。広がる農地は、美しさと同時に黒大豆や山の芋等の特産物を育む豊かさを備えています。

この美しさと豊かさを備えた丹波篠山の風土は、人々の農を中心とする生活文化であり、固有の価値を有しています。そして、この価値を継承し発展させる「農の都」を実現するため、適正な土地利用を基盤に、安全で周辺に配慮した施設整備を行い、町並みや農地、里山と調和する景観形成を図ります。

ここに「農の都」の実現を目指して、まちづくりの基本姿勢と役割を明らかにし、土地利用を推進するため、丹波篠山市土地利用基本条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、丹波篠山市におけるまちづくりの基本理念、土地利用の基本原則及び土地利用の基本となる計画について定めることにより、「農の都」を創造する美しいまちづくりに関する法令、条例及びこれらに基づく計画と相まって、適正かつ合理的な土地利用を図り、もって快適で魅力ある生活環境の創出と個性豊かで活力ある地域社会の創造に資することを目的とする。

(まちづくりの基本理念)

第2条 「農の都」を創造する美しいまちづくりは、まちの基盤となる土地利用、暮らしを支える施設、空間的な佇まいを形成する町並みや景観の調和により推進するものとする。

2 土地は、現在及び将来における市民(丹波篠山市自治基本条例(平成18年篠山市条例第32号)第2条第1号に規定する市民をいう。以下同じ。)の限られた貴重な資源であること、市民の諸活動の基盤であること、その利用が他の土地の利用と密接な関係にあること等公共の利害に関係する特性を有していることから、その利用においては、公共の福祉を優先させ、地域の自然的、社会的、経済的及び文化的諸条件に応じて適正に利用されるとともに、土地利用に関する諸計画に適合するものとする。

3 施設は、現在及び将来の地域社会の骨格を形成するものであることから、将来の土地利用及び地域の実状に応じて、必要性や効果に配慮したより快適で安全なものとするとともに、開発行為等(丹波篠山市まちづくり条例(平成22年篠山市条例第45号)第2条第4号に規定する開発行為等をいう。以下同じ。)は、地域の意見を反映するとともに、市、市民及び開発行為等を行う者(以下「事業者」という。)の相互の信頼と理解の下、協働して行うものとする。

4 景観は、地域を映す鏡として、地域の歴史文化、自然等と人々の生活、経済活動等との調和により形成されるものであること、町並みや景観に宿る歴史文化は、丹波篠山固有の歴史、自然、文化の中で育まれ、人々の営みによって守り伝えられてきたものであることから、優れた景観や豊かな歴史文化を共通の資産として尊重し活用するとともに、次代に継承するまちづくりを推進するものとする。

(責務)

第3条 市は、丹波篠山市における「農の都」を創造する美しいまちづくりが適正に行われるよう、この条例に規定するまちづくりの基本理念及び土地利用の基本原則の普及及び啓発に努めなければならない。

2 市は、この条例の目的を達成するため、丹波篠山市の土地利用の基本となる計画の策定及び土地利用に係る開発行為等の適正な誘導等必要な措置を講じなければならない。

3 市民は、この条例の目的を尊重し、市民相互に協力して快適に暮らすことのできる地域の形成に努めなければならない。

4 事業者は、この条例に規定するまちづくりの基本理念及び土地利用の基本原則にのっとり、開発行為等を行うとともに、市が行う施策に協力しなければならない。

第2章 土地利用基本計画

(土地利用の基本原則)

第4条 丹波篠山市における土地利用は、次に掲げる事項を基本原則として行わなければならない。

(1) 山々に囲まれた盆地や谷筋で、農の営みを優先してきた地域の土地利用の保全及び継承を図ること。

(2) 農業を基盤として形成されてきた農村集落、農地及び里山等と、これらが形成する美しい景観の保全及び継承を図ること。

(3) 市街地の無秩序な拡大を抑制し、集約的な市街地の形成を図ること。

(4) 市街地外縁部における緑地の確保及び緑化の推進を図ること。

(5) 城下町、街道町等の歴史的な土地利用の継承及び地域の振興につながる施設の誘導を図ること。

(6) 産業の振興につながる施設の誘導を図ること。

(基本計画の策定)

第5条 市長は、この条例の目的を達成するため、丹波篠山市の土地利用の基本となる計画として、丹波篠山市土地利用基本計画(以下「基本計画」という。)を定めるものとする。

2 基本計画は、国土利用計画法(昭和49年法律第92号)第8条の規定に基づき定める市町村計画として取り扱うものとする。

3 市長は、基本計画の案を作成しようとするときは、市民の意見を反映させるために、説明会の開催等必要な措置を講ずるものとする。

4 市長は、基本計画の案を作成しようとするときは、丹波篠山市まちづくり審議会の意見を聴かなければならない。

5 市長は、基本計画を定めたときは、遅滞なくその旨を告示し、その内容を公表するものとする。

6 前3項の規定は、基本計画の変更について準用する。ただし、第3項の規定は、軽微な変更については準用しない。

(基本計画の内容)

第6条 市長は、基本計画に次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 土地利用に関する基本構想

(2) 適正かつ合理的な土地利用を図るための基本となる区域(以下「土地利用区域」という。)の区分

(3) 土地利用区域の適正かつ合理的な土地利用を図るための土地利用の方針及び開発行為等に関する立地の基準

(4) その他市長が適正かつ合理的な土地利用を図るため特に必要と認める事項

(土地利用区域の区分等)

第7条 前条第2号に定める土地利用区域の区分は、次のとおりとする。

(1) 自然環境保全区域 豊かな自然環境を保全し、森林の有する多面的な機能の維持継承及び里山林の活用を図るとともに、史跡、歴史的文化資源及び環境の保護及び保全を図る区域とする。

(2) 森林レクリエーション区域 緑豊かな森林、潤いある河川等の美しい自然環境を活かした公園及びレクリエーション施設としての活用を図る区域とする。

(3) 田園環境保全区域 盆地又は谷筋に広がる農地及び農業集落を中心とする広がりある田園景観の保全及び既存の集落環境の維持を図る区域とする。

(4) 農住調和区域 市街地周辺の農用地区域に含まれない一団の農地等からなる田園景観と調和する住環境の形成を図る区域とする。

(5) 産業育成区域 田園景観又は周辺環境と調和する工場等の産業機能の集積を図る区域とする。

(6) 住環境形成区域 道路等の一定の都市基盤が整備され、住宅を中心に商業施設、生活利便施設等が分布する良好な住環境の保全及び創出を図る区域とする。

(7) 新市街地形成区域 市街地周辺、幹線沿道等としての利便性を活かし、都市機能の集積を図る区域とする。

(8) 歴史環境形成区域 城下町、宿場町等の歴史的資源及び環境の保全及び活用を図る区域とする。

2 前項の規定にかかわらず、農用地区域(農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号)第8条の規定に基づく農業振興地域整備計画に定められた農用地区域をいう。)については、農地として保全することを原則とする。

3 里づくり計画等(丹波篠山市緑豊かな里づくり条例(平成11年篠山市条例第182号)第2条第11号の規定に基づく里づくり計画又は緑豊かな地域環境の形成に関する条例(平成6年兵庫県条例第16号)第32条の規定に基づき知事が認定した整備計画をいう。以下同じ。)において土地利用に関する基準が定められた場合は、第1項に定める土地利用区域及び当該区域における土地利用の方針にかかわらず、里づくり計画等の基準を適用する。

(基本計画の体系的運用)

第8条 市長は、基本計画に即して適正かつ合理的な土地の利用が図られるよう、この条例に定めるもののほか、第2条各項に関する法令、条例及びこれらに基づく計画との体系的な運用により、自然環境及び農林地の保全、歴史的風土の保存、治山、治水、公害の防止等に配慮しつつ、秩序ある土地利用の調整に関する措置を講ずるものとする。

第3章 まちづくり審議会

第9条 市は、適正かつ合理的な土地利用の推進等により、「農の都」を創造する美しいまちづくりを図るため、丹波篠山市まちづくり審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議する。

(1) 適正かつ合理的な土地利用の推進に関すること。

(2) 開発行為等に関すること。

(3) 景観形成に関すること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項に関すること。

3 審議会は、10人以内の委員をもって組織する。

4 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱し、又は任命する。

(1) 学識経験を有する者

(2) 公募市民

(3) その他市長が必要と認める者

5 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、市長が定める。

第4章 委任

第10条 この条例の施行について必要な事項は、市長が定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成26年7月1日から施行する。

(篠山市まちづくり条例の一部改正)

2 篠山市まちづくり条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(篠山市景観条例の一部改正)

3 篠山市景観条例(平成22年篠山市条例第46号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(篠山市特定商業施設における適正な事業活動の推進に関する条例の一部改正)

4 篠山市特定商業施設における適正な事業活動の推進に関する条例(平成24年篠山市条例第31号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(篠山市緑豊かな里づくり条例の一部改正)

5 篠山市緑豊かな里づくり条例の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(篠山市屋外広告物条例の一部改正)

6 篠山市屋外広告物条例(平成26年篠山市条例第4号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

附 則(平成31年2月27日条例第1号)

(施行期日)

1 この条例は、平成31年5月1日から施行する。

(調整規定)

2 各条に規定する条例の規定は、この条例によってまず改正され、次いで市の名称変更に伴う関係条例の整理に関する条例(平成30年篠山市条例第36号)によって改正されるものとする。

丹波篠山市土地利用基本条例

平成26年6月27日 条例第14号

(令和元年5月1日施行)